ノーパンクタイヤのメリット、デメリットを解説!通学には不向き!?

 

ばん太です。

 

月に一度は、「ノーパンクの自転車ってないの?」とお客様に声をかけられます。

 

ノーパンクタイヤは、読んで字のごとく、パンクしないタイヤ。

 

空気ではなく、特殊な材質のチューブが内蔵されています。(メーカーによって、中身がぎっちり詰まっていたり、空洞になっていたりします。)

 

当店では一種類のみ在庫していますが、メリット、デメリットをお伝えすると「やっぱり普通の自転車でいいや…」となることが多々あります(笑)

 

思えば、テレビCMでノーパンクタイヤの自転車を見たのも結構前のような気が。

しかし、普及率は2018年現在でもイマイチな印象。修理持ち込みでもあまり見かけません。なぜ?

 

今回は、ママチャリタイプのノーパンクタイヤ自転車の現状、いいところと悪い所をご紹介します。

 

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①メリット

空気を入れなくていい

パンクしない

 

この2点につきますね!

 

普通なら月に1回空気を入れるだけでも面倒なものです。

 

空気を入れないとパンクはするし、タイヤも割れるし…といいことなしなのは頭ではわかっているんですけどね。

 

この面倒くささ、パンクの煩わしさから解放されるというのが最大のメリットです。

ではデメリットを。


 

②デメリット

乗り心地が悪い、カーブで若干すべりやすい

車体が重い

スポーク(車輪の棒)が折れやすい

タイヤ交換が高額、時間がかかることが多い

重い荷物、同乗器(お子様を乗せるアレです。チャイルドシート。)は載せてはダメ

 

多いですね。解説します。

 

改善されてきているとはいえ、ノーパンクタイヤは空気式のタイヤに比べると衝撃吸収性能は劣ります。

 

そのため、乗り心地はどうしても悪くなり、自転車へのダメージも大きくなります。

 

対策として、丈夫なパーツを使用し、またノーパンクタイヤ自体も重量があるため、車重の増加は避けられません。

 

それでも使い方によっては車輪が耐え切れず、スポークが折れてしまうこともあります。当店でも、購入後半年でスポークの交換に来られた方がたくさんいらっしゃいました。

 

また、パンクはしないとは言っても、タイヤの表面はすり減っていきます。

いざタイヤ交換となったとき、ふたたびノーパンク仕様にするには専用工具が必要なことが多く、現在の普及率では工具を持っていないお店も多いです。

取り寄せなどで時間がかかるかもしれませんし、工賃も割高でしょう。

 

ちなみに、ノーパンクタイヤの車輪には、普通のタイヤチューブを装着できることが多いです。

 

逆はなかなか難しいですね。というか無理なことがほとんど。自転車屋さんにいきなり自転車を持って行って「ノーパンクにして下さい!」と言ったら、断られるか嫌な顔をされるかもしれません(笑)

 

重い荷物を載せないほうがいい!というのは、停車状態で何かを載せたままにしておくと、内部の特殊なチューブが変形してしまう可能性があるからです。

 

車重の重い電動自転車や、3人乗り対応自転車にノーパンクタイヤがほぼ採用されていないのはこのためです。

電動自転車大手のYAMAHAのサイトにも以下のように記載されています。

❝PASではパンクしない仕様のタイヤはご用意しておりません。

ノーパンクタイヤは重量が重く、走行安定性や走行距離に影響を与える可能性があるため、採用しておりません。❞

出典:YAMAHA PAS知恵袋

 

 

 


 

ノーパンクタイヤ自転車がおススメの方、そうでない方

 

以上です。

これだけのデメリットがあるため、ノーパンクタイヤはあまり普及しきれていない現状があります。

 

いくつかのメーカーが、上記のデメリット解消を目指した異なる構造の物を販売していたりもしますが、取り扱い店舗が少なかったり、販売が振るわず撤退したり、まだまだ高価だったり、という背景もあります。(中にはスポーツ自転車向けのものもあるようです。)

 

これだけデメリットを挙げておいて何ですが、私も決して「ノーパンクタイヤはダメ!!」と言いたいわけではありません。

 

ただ、現在の技術では、ノーパンクタイヤはコスト、性能両方の面でまだまだ空気式のタイヤチューブに完全には勝てない、というのは間違いないでしょう。

最近は、某メーカーでノーパンクタイヤの自転車がリコールとなりました。衝撃の吸収率が想定より悪かったのでしょう、タイヤが外れてしまうという事例があったようです。「安くて、乗り心地も良くて、パンクしない」技術革新が待たれますね。

 

というわけで…

ノーパンクタイヤ自転車がおすすめの方

・そんなに長い距離は乗らない

・坂道はあまり通らない

・とにかく空気を入れたくない、パンクのリスクが煩わしい

・工場などの敷地内で短時間しか乗らない

・地震などの大災害時の移動手段としてなら大活躍!!

 

おすすめできない方

・通勤、通学で毎日タフに乗る

・路面状態が悪い道を通る

体重が重い

(お店では言いづらいのですが、「体重が重くてよくパンクするからノーパンクにしたい!」という方…パンクはしませんが車輪が壊れます

男子学生

(男の子の学生さんはパワフルです。今まで販売してきたノーパンクの自転車で通学に使っている学生さんは、ほとんどが車輪が壊れて持ち込みされてます)

 

 

メリット・デメリットを加味して、やっぱりノーパンクタイヤの自転車が欲しい!という方は、アサヒサイクルの「プロテクティア」シリーズが良いかと思います。

 


アサヒサイクル Asahi Cycle 26型 自転車 プロテクティア TUW(メタリックシルバー/外装6段変速)TUW66S【2019年モデル】

(注:「アサヒサイクル」という会社は、全国に展開している「サイクルベースあさひ」とは別の会社です。

なぜこのモデルかというと、アサヒサイクルさんは取引している自転車屋さんが非常に多く、色んなお店で修理の依頼をしやすいからです。サイクルベースあさひさんとも取引しています。ややこしいですね

通販で、あまり見かけないメーカーの物を買ってしまうと、修理の際に困ることがあります。

また、通販サイトで「20インチ 折りたたみ電動自転車 ノーパンクタイヤ搭載!」という商品も見かけましたが…自転車屋的には「死ぬ気か…?」と思ってしまいます(笑)

強度的な問題もありますが、部品の独自性が高すぎるので、修理に難儀するでしょうね。

大手メーカーで電動+ノーパンクという商品が一切出ていないのは、やはりそれなりの理由があるのです。価格だけ見て飛びつかないようにしてください。

 

以上でございます。

あなたの自転車選びの参考になりましたら幸いです。

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